13:00〜13:10 |
○開会挨拶
DBSC会長:上原 哲太郎 氏(立命館大学 情報理工学部 教授)
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13:10〜13:50 |
○特別講演
「データベースのライフサイクル再考」
上原 哲太郎 氏
[立命館大学 情報理工学部 教授]
神奈川県で発生した廃棄HDDからのデータ漏洩事件は、データのライフサイクルに対する意識の見直しを迫っているように思われる。従来データベースはそのデータの可用性を維持することに主な意識が集中しており、システムの多重化やバックアップは十分に考慮されてきたが、データ消去や廃棄の確実性を考慮したシステムデザインはこれまで考えられてこなかったのではないだろうか。今回のセミナーがこの問題に焦点を当てることに合わせ、本講演ではデータベースを中心としてデータのライフサイクルを俯瞰し、システム運用におけるデータ消去・廃棄の問題について再考する。
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13:50〜14:40 |
○基調講演
「デジタル記録とデータ消去」 〜HDD、SSDとデータ抹消(NIST SP800-88)〜
沼田 理 氏
[ADEC データ適正消去実行証明協議会 技術顧問]
昨年末に神奈川県で発生したHDDの流出事件によって、情報漏えい対策としての電子記録媒体のデータ抹消の有り方(ガイドライン)が急に注目されている。現在の日本における基準は米国と比較すると、ガイドラインと呼ばれるような物でも、復旧不可能な方法等とあいまいに表現されているだけで、具体的な方法とその理由の解説を示している物は少ない。また、世間ではいまだに米国防総省の過去の規格による3回上書きが絶対的な手段であると信じられているなど、正しい情報は浸透していない。今回はHDDの現実と、SSDの動作の詳細、HDDと比較して注意すべき点や、米国の最新のデータ抹消の規格であるNIST SP800-88について解説する。
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14:40〜15:55 |
休憩
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14:55〜15:45 |
○基調講演
「ハードディスクドライブの完全データ消去が不可能な理由を知る」
下垣内 太 氏
[アイフォレンセ日本データ復旧研究所株式会社 代表取締役]
[一般社団法人 日本データ復旧協会 常任理事]
HDDに記録されたデータは、専用ソフトを使えば必ず完全に消去できるものではな
い。ところが国や県が発行する文書でも、”完全消去”という記載が見つかることがあ
る。いわば誤解に基づいたガイドラインが策定され、技術文書が配布されているのだ。
社会の安全のためには、本来ならば修正されるべき文言である。
本セミナーでは、HDDの動作のしくみを把握し、なぜデータが消えずに残存するの
かを理解することを目的とする。情報セキュリティ規定の見直しにぜひご活用されたい。
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15:45〜17:15 |
○パネルディスカッション
「災害対策とデータ保全をもう一度考える」
パネラー
沼田 理 氏、下垣内太氏、上原哲太郎氏、北野晴人 氏
モデレーター
西本逸郎 氏
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17:15〜17:20 |
○閉会挨拶
DBSC事務局長 西本 逸郎氏
(株式会社ラック)
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